路線名:愛川線(あいかわせん)
区間:菅生水沢〜宮ヶ瀬口
経由地:横浜市青葉区、東京都町田市、相模原市南区、同中央区、愛甲郡愛川町
営業キロ:26.3キロ
駅数:20
多富急愛川線は、相模多摩線の菅生水沢から分岐し、町田、水郷田名を経由して、愛甲郡愛川町の宮ヶ瀬口駅までを結ぶ路線です。
沿線には学校が数多くあるほか、東京都心へ通勤・通学する多くの人々の足にもなっており、利用客は終日多いです。また、こどもの国、相模原公園、水郷田名、宮ヶ瀬湖といった観光地・景勝地もあるため、観光路線としての側面も強くなっています。そのため、近年運行を開始した座席指定列車「あいかわライナー」は土休日も運転されています。
路線そのもののは比較的新しいため、踏切は一つもありません。
ここでは、急行電車に乗車したものとして説明します。
菅生水沢を発車した電車は、すぐに下り勾配に差し掛かり、相模多摩線を右に分けます。電車は、起伏の激しい多摩丘陵をトンネル・掘削・高架を駆使して突き進みます。愛川線として最初の駅、元石川を通過。しばらくすると、すすき野駅に到着します。すすき野駅周辺は団地が多く立ち並び、利用客は多いです。また、つい最近決定した横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸では、このすすき野周辺にも駅が設けられることになっています。
すすき野を発車すると未開発の山の中を通り、桐蔭学園前駅を通過します。この駅は文字通り桐蔭学園の最寄駅で、朝夕になると多くの学生でにぎわいます。
桐蔭学園前を通過すると右にカーブし、鶴見川を渡ります。鶴見川沿いの低地帯は高架で作られているため、遠くまで見渡すことができます。鶴見川を渡りきるとさらに右へカーブし、すぐに2面4線のたちばな台駅を通過。たちばな台駅では終日、各駅停車や準急が優等列車の通過待ちを行っています。また、このあたりは線内で最も速度が出る区間の一つで、時速110キロで走行します。間もなくすると今度は左にカーブし、やがて速度が落ち始め、鴨志田駅に到着します。
鴨志田駅は日本体育大学とこどもの国の最寄駅で、多くの利用客でにぎわいます。
鴨志田を発車すると、直線区間を時速110キロで爆走。そして奈良の丘駅を通過。それから右にカーブしてまもなくすると、町田市に入ります。すぐに減速し、町田市内最初の停車駅で、2面3線の成瀬台駅に到着。多富急が開発した住宅地への最寄駅であるため、急行や快速急行、あいかわライナーも停車します。
町田市に入ってもなお多摩丘陵。成瀬台を発車した電車は、かしの木山自然公園の下をトンネルで通過。トンネルを抜けると恩田川を渡りますが、このあたりは景色が良く、進行方向左側には横浜線の線路も見えます。
その後、左にカーブすると芹が谷駅を通過。そして地下トンネルに入ると町田駅に到着します。
町田駅はホームが2面4線の地下駅です。八王子線、JR横浜線、小田急線との乗換駅で、駅構内は終日混雑します。また、愛川線は当駅に留置線があるため、朝夕を中心に一部町田始終着の設定があります。
町田を発車した電車は、地下のため車窓からは見えませんが境川を越え、ここから神奈川県相模原市に入ります。右にカーブすると掘削構造になり、まもなく鹿島台駅を通過。鹿島台駅は相模大野にほど近く、朝夕は学生の利用が特に多くなります。しばらくすると、大沼駅を通過。近くにはかつて「大沼」という沼地がありましたが、現在は宅地化されています。そのまま掘削区間を進むと、北里大学の最寄駅である麻溝台駅に到着します。麻溝台はホームが2面4線の駅で、一部列車が緩急接続を行います。
麻溝台を発車してしばらくすると、電車は右にカーブ。すると、掘削区間が終わり景色が開け、相模原沈澱池のすぐ横を走ります。間もなくすると相模原公園駅を通過。文字通り相模原公園への最寄駅ですが、駅からは少し距離があります。また、この付近は進行方向左手からの眺望が大変素晴らしく、相模川沿いの低地を一望することができます。
そんな景色のよい区間もつかの間。すぐに左にカーブし、しばらくすると新番田駅を通過。JR相模線との交差付近に駅がありますが、相模線に駅は設けられていません。高架区間を進むと、次第に速度が落ち始め、水郷田名への支線が分岐する田名塩田駅に到着します。
田名塩田で水郷田名行の電車に乗り換え、相模川沿いの景勝地水郷田名へ向かいます。
愛川へ向かう本線を左に分け、電車は単線の線路を北へ進みます。途中駅の望地駅には隣接して車両工場があり、多富急相模多摩線・愛川線系統の電車の整備を行います。
S字カーブで崖を降りると終点の水郷田名に到着。
大山街道の宿場町として古くから栄えたこの地には、今でも数多くの商店が建ち並んでいます。また、鮎漁が解禁される頃には多くの観光客でにぎわうほか、毎年夏には花火大会も開催されるなど、関東有数の観光地として今も賑わいを見せています。