愛川線


路線概要

路線名:愛川線(あいかわせん)

区間:菅生水沢〜宮ヶ瀬口
 
経由地:横浜市青葉区、東京都町田市、相模原市南区、同中央区、愛甲郡愛川町

営業キロ:26.3キロ

駅数:20

駅一覧

[AK01]菅生水沢(すがおみずさわ)
[AK02]元石川(もといしかわ)
[AK03]すすき野(すすきの)
[AK04]桐蔭学園前(とういんがくえんまえ)
[AK05]たちばな台(たちばなだい)
[AK06]鴨志田(かもしだ)
[AK07]奈良の丘(ならのおか)
[AK08]成瀬台(なるせだい)
[AK09]高ケ坂(こうがさか)
[AK10]町田(まちだ)
[AK11]鹿島台(かしまだい)
[AK12]大沼(おおぬま)
[AK13]麻溝台(あさみぞだい)
[AK14]相模原公園(さがみはらこうえん)
[AK15]新番田(しんばんだ)
[AK16]水郷田名(すいごうたな)
[AK17]愛川中津(あいかわなかつ)
[AK18]相模愛川(さがみあいかわ)
[AK19]三増(みませ)
[AK20]宮ヶ瀬口(みやがせぐち)

沿線概況

多富急愛川線は、相模多摩線の菅生水沢から分岐し、町田、水郷田名を経由して、愛甲郡愛川町の宮ヶ瀬口駅までを結ぶ路線です。

沿線には学校が数多くあるほか、東京都心へ通勤・通学する多くの人々の足にもなっており、利用客は終日多いです。また、こどもの国、相模原公園、水郷田名、宮ヶ瀬湖といった観光地・景勝地もあるため、観光路線としての側面も強くなっています。そのため、近年運行を開始した座席指定列車「あいかわライナー」は土休日も運転されています。

路線そのもののは比較的新しいため、踏切は一つもありません。

1.多摩田園都市をひた走る(菅生水沢~町田)

ここでは、急行電車に乗車したものとして説明します。

菅生水沢を発車した電車は、すぐに下り勾配に差し掛かり、相模多摩線を右に分けます。電車は、起伏の激しい多摩丘陵をトンネル・掘削・高架を駆使して突き進みます。愛川線として最初の駅、元石川を通過。しばらくすると、すすき野駅に到着します。すすき野駅周辺は団地が多く立ち並び、利用客は多いです。また、つい最近決定した横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸では、このすすき野周辺にも駅が設けられることになっています。

すすき野を発車すると未開発の山の中を通り、桐蔭学園前駅を通過します。この駅は文字通り桐蔭学園の最寄駅で、朝夕になると多くの学生でにぎわいます。

桐蔭学園前を通過すると右にカーブし、鶴見川を渡ります。鶴見川沿いの低地帯は高架で作られているため、遠くまで見渡すことができます。鶴見川を渡りきるとさらに右へカーブし、すぐに2面4線のたちばな台駅を通過。たちばな台駅では終日、各駅停車や準急が優等列車の通過待ちを行っています。また、このあたりは線内で最も速度が出る区間の一つで、時速110キロで走行します。間もなくすると今度は左にカーブし、やがて速度が落ち始め、鴨志田駅に到着します。

鴨志田駅は日本体育大学とこどもの国の最寄駅で、多くの利用客でにぎわいます。

鴨志田を発車すると、直線区間を時速110キロで爆走。そして奈良の丘駅を通過。それから右にカーブしてまもなくすると、町田市に入ります。すぐに減速し、町田市内最初の停車駅で、2面3線の成瀬台駅に到着。多富急が開発した住宅地への最寄駅であるため、急行や快速急行、あいかわライナーも停車します。

町田市に入ってもなお多摩丘陵。成瀬台を発車した電車は、かしの木山自然公園の下をトンネルで通過。トンネルを抜けると恩田川を渡りますが、このあたりは景色が良く、進行方向左側には横浜線の線路も見えます。

その後、左にカーブすると芹が谷駅を通過。そして地下トンネルに入ると町田駅に到着します。

2.相模原台地を西へ(町田~田名塩田)

町田駅前は、昼夜を問わず多くの人で賑わう
町田駅前は、昼夜を問わず多くの人で賑わう

町田駅はホームが2面4線の地下駅です。八王子線、JR横浜線、小田急線との乗換駅で、駅構内は終日混雑します。また、愛川線は当駅に留置線があるため、朝夕を中心に一部町田始終着の設定があります。

町田を発車した電車は、地下のため車窓からは見えませんが境川を越え、ここから神奈川県相模原市に入ります。右にカーブすると掘削構造になり、まもなく鹿島台駅を通過。鹿島台駅は相模大野にほど近く、朝夕は学生の利用が特に多くなります。しばらくすると、大沼駅を通過。近くにはかつて「大沼」という沼地がありましたが、現在は宅地化されています。そのまま掘削区間を進むと、北里大学の最寄駅である麻溝台駅に到着します。麻溝台はホームが2面4線の駅で、一部列車が緩急接続を行います。

麻溝台を発車してしばらくすると、電車は右にカーブ。すると、掘削区間が終わり景色が開け、相模原沈澱池のすぐ横を走ります。間もなくすると相模原公園駅を通過。文字通り相模原公園への最寄駅ですが、駅からは少し距離があります。また、この付近は進行方向左手からの眺望が大変素晴らしく、相模川沿いの低地を一望することができます。

そんな景色のよい区間もつかの間。すぐに左にカーブし、しばらくすると新番田駅を通過。JR相模線との交差付近に駅がありますが、相模線に駅は設けられていません。高架区間を進むと、次第に速度が落ち始め、水郷田名への支線が分岐する田名塩田駅に到着します。

3.支線に乗り換え、水郷田名へ(田名塩田〜水郷田名)

水郷田名の相模川河川敷と高田橋
水郷田名の相模川河川敷と高田橋

田名塩田で水郷田名行の電車に乗り換え、相模川沿いの景勝地水郷田名へ向かいます。
愛川へ向かう本線を左に分け、電車は単線の線路を北へ進みます。途中駅の望地駅には隣接して車両工場があり、多富急相模多摩線・愛川線系統の電車の整備を行います。
S字カーブで崖を降りると終点の水郷田名に到着。
大山街道の宿場町として古くから栄えたこの地には、今でも数多くの商店が建ち並んでいます。また、鮎漁が解禁される頃には多くの観光客でにぎわうほか、毎年夏には花火大会も開催されるなど、関東有数の観光地として今も賑わいを見せています。

4.相模川を渡り、愛川へ進む(田名塩田〜宮ヶ瀬口)

水郷田名から田名塩田へ戻り、再びいよいよ愛川へと向かいます。
田名塩田から先は、急行電車は各駅に停車します。まず相模川を渡り、愛川町に入ります。台地に差し掛かりトンネルに入るとそのまま愛川中津駅に到着。中津工業団地への最寄駅で朝夕は利用客が多いです。
愛川中津を発車すると右へ急カーブし、勾配を登ってトンネルを出ると、まもなく相模愛川駅に到着。愛川町の中心駅であり、快速急行やあいかわライナーも止まります。ホームは2面3線ですが、3番線はあまり使用されません。
相模愛川を発車すると、今度は左へ急カーブし台地を下り、中津川沿いの低地を進みます。程なくして三増駅に到着。急行こそ止まるものの利用客は少なめです。
三増を発車すると2分ほどで終点の宮ヶ瀬口駅に到着。駅前からは、半原・宮ヶ瀬方面へと向かうバスが発着しています。当駅周辺の地名は「田代」で開業当初の駅名も「愛甲田代」駅でしたが、宮ヶ瀬ダムが完成した2000年に現在の駅名へと改称されました。ホームは頭端式2面3線で、終着駅にふさわしい形となっています。